婚活における「追う側」とは何か
婚活において「追う側」になるというのは、相手への関心や好意が一方的で、自分ばかりがアプローチを続けている状況を指します。例えば、マッチングアプリで常に自分からメッセージを送り続ける、デートの誘いはいつも自分から、相手の返信が遅くても待ち続けてしまう、といった行動パターンが典型例です。
追う側の典型的な行動パターン
追う側になりがちな人には共通の行動パターンがあります。相手からの連絡を待てずに自分から何度もメッセージを送ってしまう、相手の都合に合わせすぎて自分の予定を犠牲にする、相手の関心を引こうと必要以上にプレゼントや食事代を負担する、などが代表的です。
30代女性のAさんのケースを見てみましょう。マッチングアプリで知り合った男性と3回デートを重ねましたが、毎回自分から誘っていました。相手の返信は遅く、時には1日以上返事が来ないこともありましたが、Aさんは「忙しいのかな」と相手を気遣い、さらに積極的にアプローチを続けました。しかし、4回目のデートを提案した際に「もう少し友達として」という曖昧な返事をもらい、その後連絡が取れなくなってしまいました。
なぜ人は追う側になってしまうのか
追う側になってしまう背景には、いくつかの心理的要因があります。最も大きな要因は自己肯定感の低さです。自分に自信がないため、相手に嫌われることを過度に恐れ、相手の機嫌を損ねないよう常に気を遣い続けてしまうのです。
また、恋愛経験の少なさも影響します。健全な恋愛関係では相手からも同程度の関心や好意が示されるものですが、経験が少ないとこのバランス感覚が養われにくく、一方的な関係を「普通」だと思い込んでしまうことがあります。
完璧主義が生む負のループ
完璧主義的な性格の人も追う側になりがちです。「完璧にアプローチすれば相手は振り向いてくれるはず」という考えから、相手の好みに合わせて自分を変えようとしたり、相手が求めていない過度なサービスを提供したりしてしまいます。
35歳男性のBさんは、婚活パーティーで知り合った女性に対して、相手が映画好きだと知ると自分も映画に詳しくなろうと必死に勉強し、デートでは毎回高級レストランを予約していました。しかし、相手からは「重い」「自然体でいられない」という理由で関係を断られてしまいました。
追われる側の心理とは
追われる側の心理を理解することも重要です。人は基本的に、簡単に手に入るものよりも、ある程度の困難さがあるもの、希少価値があるものに魅力を感じる傾向があります。これは恋愛においても同様で、あまりに積極的すぎるアプローチは逆効果になることが多いのです。
婚活カウンセラーの調査によると、交際に発展したカップルの約70パーセントが「お互いに程よい距離感を保ちながら関係を深めた」と回答しています。一方、どちらか一方が積極的すぎた場合の交際継続率は30パーセント以下という結果が出ています。
追われすぎることで生まれる罪悪感
追われる側も決して楽ではありません。相手の好意は感じているものの、自分はそこまでの気持ちがない場合、罪悪感を抱くことになります。優しい人であればあるほど、相手を傷つけたくないという思いから曖昧な態度を取り続け、結果的に関係をより複雑にしてしまうことがあります。
28歳女性のCさんは、職場の先輩から熱心にアプローチされ続けました。先輩は毎日差し入れを持ってきて、仕事の悩みを親身に聞いてくれる優しい人でしたが、Cさんには恋愛感情がありませんでした。しかし、相手の好意を無下にできず、曖昧な態度を取り続けた結果、先輩はさらに積極的になり、最終的に職場の人間関係にも影響が出てしまいました。
追う側が陥る具体的な問題
追う側になってしまうと、様々な問題が生じます。まず、精神的な負担が大きくなります。常に相手の反応を気にして、返信が来ないと不安になり、相手の機嫌を伺いながら生活することになります。これは大きなストレスとなり、日常生活にも影響を与えます。
経済的負担の増大
追う側になると、相手の関心を引こうとして過度に経済的負担を背負ってしまうことがあります。毎回高級レストランでの食事、プレゼントの頻度が異常に多い、旅行費用を全額負担するなど、自分の経済状況を超えた出費を続けてしまうのです。
40代男性のDさんは、年収500万円にもかかわらず、婚活中の女性とのデートで月10万円以上を使っていました。相手に喜んでもらいたい一心で高級店ばかりを選び、誕生日でもないのに高価なアクセサリーをプレゼントしていましたが、結果的に相手からは「価値観が合わない」と言われて関係が終了しました。その後、Dさんは経済的に困窮し、しばらく婚活を休止せざるを得なくなりました。
自己肯定感のさらなる低下
追う側として努力を続けても結果が出ないと、自己肯定感はさらに低下します。「こんなに頑張っているのになぜダメなのか」「自分には魅力がないのだろうか」という負の思考に陥り、次の婚活においてもより一層相手に依存的になってしまう悪循環が生まれます。
追う側になる人の共通する特徴
追う側になりやすい人には共通する特徴があります。まず、相手の気持ちよりも自分の不安を優先してしまう傾向があります。相手が忙しくて連絡できないという状況よりも、「連絡が来ない自分の不安」を解消することを優先し、結果的に相手にプレッシャーを与えてしまうのです。
また、境界線を引くのが苦手という特徴もあります。相手のプライベートな時間や空間を尊重せず、常に自分の存在をアピールしようとしてしまいます。これは相手にとって負担となり、距離を置きたいと思わせる原因になります。
過去の恋愛パターンの繰り返し
多くの場合、追う側になってしまう人は過去の恋愛でも同様のパターンを繰り返しています。学生時代の初恋から始まり、社会人になってからの恋愛、そして婚活に至るまで、常に自分が相手を追いかける関係性を築いてしまうのです。
32歳女性のEさんは、学生時代から今まで5回の恋愛をしましたが、全て自分が相手を追いかける形でした。最初の恋人とは2年間付き合いましたが、デートの誘いは常に自分から、記念日も自分だけが覚えている状態でした。その後の恋愛でも同様のパターンが続き、婚活を始めてからも変わることはありませんでした。
追う側の末路:具体的なケーススタディ
追う側として婚活を続けた人たちの末路を、具体的なケースで見てみましょう。多くの場合、一時的に交際に発展することがあっても、長続きしないという結果になります。
ケース1:燃え尽き症候群
38歳男性のFさんは、2年間で50人以上の女性にアプローチしました。マッチングアプリでは常に100件以上のやり取りを並行して行い、週末は必ず複数のデートを入れていました。しかし、全て自分から積極的にアプローチする形で、相手からの積極的なアプローチを受けることはほとんどありませんでした。
2年間の婚活で交際に発展したのは3人だけで、いずれも3ヶ月以内に終了しました。理由は「束縛が激しい」「重い」「自然体でいられない」というものでした。Fさんは精神的に疲弊し、最終的に婚活うつ状態になり、カウンセリングを受けることになりました。
ケース2:経済的破綻
35歳女性のGさんは、年上の男性との婚活で相手に尽くしすぎてしまいました。料理上手をアピールするために高級食材を使った手料理を毎週作って差し入れし、相手の趣味のゴルフに合わせて自分も高額なレッスンを受け始めました。また、相手が転職で収入が不安定になった際は、デート費用を全額負担するようになりました。
1年間で約200万円を使いましたが、相手からプロポーズされることはなく、最終的に「君といると楽すぎて結婚する気になれない」と言われて関係が終了しました。Gさんは貯金を使い果たし、借金まで作ってしまい、その後の婚活を続けることができなくなりました。
ケース3:社会的孤立
42歳男性のHさんは、婚活に集中するあまり、友人や家族との関係を疎かにしてしまいました。友人との約束をキャンセルしてまで婚活の予定を優先し、家族の集まりも「婚活が忙しい」という理由で参加しなくなりました。
しかし、婚活では常に追う側となり、3年間で成果を上げることができませんでした。気がつけば友人からの誘いもなくなり、家族からも距離を置かれてしまいました。婚活に失敗した上に、人間関係も失ってしまい、社会的に孤立した状態になってしまったのです。
追う側から抜け出すための具体的方法
追う側から抜け出すためには、まず自分の行動パターンを客観視することが重要です。婚活における自分の行動を記録し、相手との関係性のバランスを数値化してみることをお勧めします。例えば、メッセージの送信回数、デートの誘いの回数、経済的負担の割合などを記録してみましょう。
自己肯定感を高める取り組み
追う側になってしまう根本的な原因である自己肯定感の低さを改善することが必要です。婚活以外の分野で成功体験を積み重ねる、趣味や特技を磨いて自信をつける、適度な運動で体調を整えるなど、自分自身の価値を高める活動に時間を投資しましょう。
31歳女性のIさんは、追う側の婚活に疲れ果てた後、半年間婚活を休止しました。その間、以前から興味があった資格取得に挑戦し、見事合格しました。また、ヨガを始めて体調も改善し、友人との時間も大切にするようになりました。婚活を再開した時には、以前のように相手を追いかけることなく、自然体で接することができるようになり、3ヶ月後に現在の夫と出会いました。
境界線の設定
健全な関係を築くためには、適切な境界線を設定することが重要です。相手のペースを尊重し、自分のペースも大切にする。連絡の頻度、デートの頻度、経済的負担の分担について、事前に自分なりのルールを決めておきましょう。
例えば、「相手からの返信がない場合は、最低24時間は待つ」「デートの誘いは交互に行う」「食事代は基本的に割り勘、特別な日のみ奢り合う」といった具体的なルールを設定することで、バランスの取れた関係を維持しやすくなります。
成功する婚活の秘訣:追わない勇気
成功する婚活の最大の秘訣は「追わない勇気」を持つことです。相手に興味を持ってもらうためには、自分自身が魅力的な人間であることが前提となります。そして、魅力的な人間とは、余裕があり、自分の人生を充実させている人のことです。
婚活コンサルタントの統計によると、結婚に成功したカップルの85パーセントが「お互いに自立した関係」を築いていたという結果があります。これは、どちらか一方が相手に依存するのではなく、それぞれが自分の人生を大切にしながら、お互いを尊重し合う関係ということを意味します。
成功事例から学ぶ
36歳男性のJさんは、以前は典型的な追う側でした。しかし、あるセミナーで「追わない婚活」について学び、アプローチ方法を根本的に変えました。相手からの返信を待つ、相手のペースに合わせる、自分の予定も大切にする、といった点を意識するようになりました。
最初は不安でしたが、結果的に以前よりも多くの女性から好意を持たれるようになりました。そして、6ヶ月後に現在の妻と出会い、お互いを尊重し合える関係を築くことができました。Jさんは「追わないことで、本当に自分に合う人を見つけることができた」と振り返っています。
追う側から抜け出すことは決して簡単ではありませんが、必ず可能です。重要なのは、相手の気持ちを変えようとするのではなく、自分自身を変えることです。自分が変われば、自然と引き寄せる相手のタイプも変わってきます。
婚活は相手を見つけることが目的ですが、同時に自分自身を成長させる機会でもあります。追う側として苦しんでいる今の経験も、将来的には大きな財産となるはずです。焦らず、自分のペースで、健全な関係を築ける相手との出会いを待ちましょう。きっと、お互いを尊重し合える素晴らしいパートナーに出会えるはずです。


